教育、学び、そして学校 〜 注27

公開: 2024年2月24日

更新: 2024年2月25日

注27. 教育勅語

教育勅語は、1889年に発布された大日本帝国憲法に次いで、1890年に発表された、日本社会における教区の基本方針や国民道徳の基準を示した明治天皇から日本国民に対する言葉で、「教育に関する勅語」と呼ばれている宣言です。その全文の現代語訳は、以下の通りです。

私が思うところ、我々のご先祖が国をつくり、その国を豊かにする努力を始めたことは、とても徳のある行為であったと言えるでしょう。我々はそのことをよく理解し、今日まで、国に対しては「忠」にはげみ、両親に対しては「孝」をつくしてきました。これは、日本に特有の美風と言えます。この精神は、これからも守らなければならず、我が国における教育の基本とされるべき心がけです。国民の皆さんは、両親への孝行を尽くし、兄弟姉妹と助け合い、夫婦同士で協力しあい、友人とは互いに友情の心をもって交わり、他人に対しては慈愛の精神をもって対応し、学問を修めるよう心がけ、仕事に精を出し、自らの知識や才能を伸ばし、善良で社会に役立つような人になるよう、心しなければなりません。そして、皇室の伝統、国家の憲法・法律を守り、社会が重大な危機に直面した時には、自分たちの命を懸けても皇室や国家のために最善を尽くさなければなりません。そのように生きることは、単に天皇のための良き臣民であるだけでなく、皆さんの祖先が築き上げた日本社会を維持することになります。皆さんが、この「人の道」を体得し、毎日の生活でそれを実践することを、強く望みます。

ここに述べられていることは、人間性を高めるために重要な倫理観でもありますが、その根底にある思想は、神である天皇の尊厳と、それに従う国民の忠誠心こそが、日本国を豊かにするために必要な土台であることを強調しています。このことが、昭和時代に入って、日本を軍国主義化し、軍備を増強し、米国社会との対立を生み、日米の戦争に向かわせる原因になったと言えます。

参考になる資料